飯田・下伊那地域の経済情勢について
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中村 達 様
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飯田信用金庫から中村達様をお迎えして、「飯田・下伊那の経済情勢について」をテーマに卓話を頂戴しました。
この地域の景気は、製造業などで落ち込んでいる一方で、建設業や卸小売業などは比較的堅調に推移しているそうです。また、人材不足への対応として、ダイバーシティや労働生産性の向上が、数字にどのように表れているかの2点についてお話しをいただきました。
はじめにこの地域の最近の企業数や従業員数の推移を紹介いただきました。2009年のリーマンショック以降、企業数、従業員数とも右肩下がりに減り続け
ているそうで、少々ショッキングな数字でした。この地域の主な産業は建設業や製造業の比率が全国や長野県を上回り、卸小売業が全国並みで、この3業種で売
上の8割強を占めることになります。
製造業では、2018年から約2年間中国向けの半導体の生産が大きく伸びて景況感は良好に推移しましたが、今年2019年に入ってからは逆に米中貿易摩擦の影響を受けマイナスを推移しているそうです。
一方、建設業では、2013年の第二次安部内閣の時に公共投資が増えたことと、翌年の消費増税による駆け込み需要があった以降はマイナス傾向が続いているようです。しかしながら、年々その幅は縮小傾向にあり強くはないものの業績は改善に向かっていると言えるそうです。
求人数の推移は、経営者の今後を見るマインドとして景気の先行指標のひとつになるそうですが、製造業は昨年末より激減、建設業は少しずつではあるものの右肩上がりの傾向が確認出来るとのことです。
今後、飯伊地区の生産年齢人口は減り続け、2045年には増加する老年人口と同じ位の人口になることが予想されています。一方、外国人労働者は増加傾向
が続いており、これからも増え続けると言われているようです。また、粗負荷価値額は、リーマンショック後の落ち込みはあったもののその後回復し、ほぼ横ば
いで推移していたものが、2016年には2割の落ち込みが確認されているそうです。
この地域ではリニア中央新幹線や三遠南信自動車道の開通まで10年を切りました。今後、この地域の活性化には経済の拡大が必要不可欠です。地域の情勢を見
据えると老年人口の労働参加の推進や外国人労働者の増加等に対応する環境の改善等の取り組みや、生産性を改善、向上させる取り組みが益々重要性を増して来るようです。
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